運転管理ソリューション

運転管理ソリューション

【ポイント】

  • 許容範囲を遵守した運転により避けられる操業トラブルは意外に多い
  • 運転管理ソリューションは運転範囲の逸脱を監視し、シフト中に発生した事象を効率的に整理

ASMコンソーシアムの調査では、運転トラブルの原因として人の対応に起因するものと機器の不調に起因するものの2つが多くを占めます。このうち人の対応が要因となるトラブルについては、正しいアラーム管理の適用やコミュニケーションの改善などでミスを防止することが有効な対処策といえます。

一方、機器の不調に起因するトラブルについては、その過半は運転条件が機器や装置の許容範囲を超過していたことが原因であるとASMから示されています。つまりこれらのトラブルは正しい運転条件を維持して適切な保全を行えば防げたものです。ただし、腐食・磨耗・触媒活性など、すぐにはトラブルに繋がらないリミットについては、逸脱すべてをオペレータが常時監視することはアラームの多量発報にもつながるので正しい方法とはいえません。

このような背景をもとに、運転異常についてそのインパクトと許容される逸脱時間をもとに決めたものがIOW (Integrity Operating Windows、保全運転境界) の運転リミットです。そのためIOWは設備保全と密接に関連しています。IOWはASMの考え方を発展させた一企業の取り組みから始まりましたが、その確かな成果によりAPI (アメリカ石油協会) のガイドラインとして採用されています。

運転条件の監視対象としてさらに運転指示値や最適化目標からの逸脱も加えれば収益損失の存在やその大きさも管理可能になります。また、運転領域からの逸脱を含めたシフト中の重要なイベントをオペレータが正確に記録して申し送りを行うことで、重大な間違いや漏れ・忘れを効率的・効果的に防止できます。

DynAMo Operations Suite (ダイナモ オペレーションズ・スイート) は、このような監視・記録作業の自動化を進めます。これにより安全操業と収益改善、作業の効率化、オペレータの付加価値化をサポートします。

IOW (保全運転境界) とは

【ポイント】

  • 設備の短期・長期での安全なプロセス運転のために確立され、監視・管理される境界
  • 圧力装置の潜在的劣化に影響を与える物理的・化学的パラメータが対象
  • 3つのレベルのリミット: Critical, Standard, Informational

IOWとは、圧力封じ込めの予期せぬ逸失に至る圧力装置の劣化を予防し、同設備の短期・長期での安全なプロセス運転のために、確立され、また監視・管理される境界のことです。腐食に代表される、圧力装置の潜在的劣化に影響を与える物理的・化学的パラメータを制御の対象としています。

IOWの大きな特長は、IOWリミットを設定する際にリスクベースの考え方が用いられる点です。RBI策定のプロセスと同様に複数の関連する専門家が合議の上に詳細を決定して文書化していきます。異常な状態が発生した場合、専門家チームの検討を経て、場合により変更管理としてRBIに連係させます。

リミットはその重要性・緊急度からクリティカルリミット、スタンダードリミット、情報的リミットの3つのレベルに分けられます。一般にクリティカルリミットはすぐに対処必要な運転条件であり、これを超えた場合はアラームを発報してオペレータに即時通知します。その他のリミット逸脱は主にエンジニアを中心として対処にあたります。

IOWはASMコンソーシアムのメンバーである米国の石油メジャーが重大事故発生の削減を目的として2000年前後に取り組みとして始まりました。その活動開始後6年には重大事故の発生はおよそ1/6に激減しています。この成果は今ではAPI RP584としてまとめられ、手法の共有化・一般化が図られています。

API Recommendation Practice 584: Integrity Operating Windows

DynAMo Operations Suite


DynAMo Operations Suite (ダイナモ おペレレーションズ・スイート) は、 装置の運転を監視し 操業とオペレータの効率化をサポートするソリューションです。

  • 機器の不調に起因するトラブルを削減して設備稼働率を向上
  • 運転計画や省エネターゲット遵守により運転効率アップ
  • 保守の効率化・オペレータ作業を効率化して資質を向上
  • HSEやAPI RP 584をはじめとするコンプライアンスの遵守

DynAMo Operations Suiteは下記のソフトウエアから構成されています。

Operations Monitoring

オペレーションズ・モニタリング

IOWリミットからの逸脱や運転目標からの乖離をオンラインで自動監視・検知してトラブルを防止します。アラームや運転指示も含めたさまざまな種類のリミットをオペレーションズ・モニタリングのデータベースに一元化することで、リミット間の不整合を修正できるほか、運転課に限らずさまざまな部署からリミットの相互参照や更新が可能になります。

Operations Logbook

オペレーションズ・ログブック

シフト中のオペレータの電子ログブック機能に限らず、DynAMo Alarm SuiteのアラームデータやPHDにあるヒストリーデータを取り込んだシフトレポートを自動で作成します。申し送り作業が効率化に加えて正確な情報伝達が可能になります。

Operating Instructions

オペレーティング・インストラクション

日々の運転計画の目標値やリミット値をOperations Monitoringのリミット監視データベースに取り込みます。インポート時に安全運転領域との関係を確認した上で、このリミットを遵守することで安全性だけでなく収益性も向上します。

DynAMo Operation SuiteはOPC技術を利用できる制御システムで適用できます。特にハネウェルのExperion PKSに対しては高い親和性があります。

ケース・スタディ

運転監視の自動化・電子ログブックの導入で運転もオペレータ業務も効率化
Syncrude社では、運転における目標値の管理にExcelシートを使用しており、そのため他の課の管理値との照合が容易でなく、同時に多くの不整合が存在していました。そこで、運転条件の自動監視を目的としてOperations Monitoringを標準ソフトウエアとして採用しました。これにより、データ管理が定型化・自動化されるととともに省エネ目標をより厳格に守ることができるようになりました。またOperations Logbookも導入したことで、正確で効率的な引継ぎが実現されました。

Syncrudeケース・スタディ (英語)

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