プロセスデータヒストリアン
Uniformance Process History Database (PHD)
Honeywell の Uniformance Process History Database (PHD) は、連続的なプラントのプロセス・データおよびヒストリ上のデータを収集、保存、再生して、全社的な実稼働レベルでのデータをタイムリーに可視化します。PHDのデータは必要なときに必要なデータを利用できるので、プラントのスタッフは調整、計画、実行、業績の改善が可能になります。
Uniformance PHD インフラストラクチャでは、複数のプラントとサイトにわたる、既存の制御システムとアプリケーションが統合されます。シームレスなデータ・インタフェースとデータ収集のフェイルオーバ、自動履歴回復機能により、長期的なヒストリにおける膨大な量のデータでもメンテナンスが保証され、ユーザ・アクセスとアプリケーション統合が可能になります。
潜在的に膨大な量になりうるプロセス・データの収集と集計だけでなく、PHDにはデータをナレッジへと転換するための豊富なヒストリ機能も備わっています。PHDで計算したタグにより、ユーザはエンジニアリングおよびビジネスのナレッジを現在のデータとヒストリ・データに適用することができるほか、組み込まれたエンジニアリング単位変換機能を利用して、効果的な書式でデータを確認することができます。プロセス・データとビジネス・データを組み合わせれば、運転全体の把握が可能です。
Uniformance PHD システムを使用する利点
Uniformance PHD の利点としては、以下のような点が挙げられます。
- 拡張性 : PHD の分散型アーキテクチャでは、種類の異なるデータ・ソースからデータを収集し、一貫した1 つのデータベースに統合することが可能です。PHD は、小規模なデータベースから開始し、何千というユーザ、何万というタグを処理する規模にまで拡張できます。
- 安全性 : PHD は、一般的に必要なファイアウォール構成をサポートし、ヒストリ・レコードを不正アクセスから保護します。
- 堅牢性 : PHD は、データ収集と履歴回復の機能を通じて完全なデータ・レコードの可用性を実現するので、データ収集が中断した場合でも対応は万全です。PHD リリース300 からは、Windows クラスタでPHD サーバを実装するオプションが追加されており、週7 日24 時間の可用性に対するニーズにも対応します。
- オープン性 : PHD には、Honeywell とサードパーティの各種システムからデータを収集できるインタフェースがあります。各PHD サーバにはOPC サーバ・ライセンスが含まれており、サードパーティ・アプリケーションとのオープンな統合にも対応します。
- DCSとの統合性 : Honeywell のDCSであるExperionとは、データ収集リンクが統合され、データ収集の負荷を最小限に抑えたまま、オペレータ・ヒストリ・データと詳細・ヒストリ・データの一貫性が保たれます。
- 企業ヒストリアン : PHDをエンタープライズ規模に拡張した場合には、サイトのPHDプロセス・ヒストリアンと、企業ITセンタにおける全社PHDサーバとの間でデータの一貫性を維持する為に、タグ・シンクロナイゼーション機能が利用可能です。PHDのピア・タグ・シンクロナイゼーション機能がエンタープライズ・データベースを構築し、サイト・データベースとの一貫性を保ちます。
エンジニアリング計算ツール
Uniformance Advanced Formula Manager (AFM)
Uniformance® Advanced Formula Managerは、HoneywellのUniformance PHDに豊富で多彩な計算機能を提供します。計算式は、簡単なVBスクリプト言語を使用して作成する為、エンジニアは最小限のプログラミング・スキルのみで簡単に高度な計算機能を開発することができます。計算ライブラリは集約管理され、AFMサーバにより実行されます。
Advanced Formula Manager の利点
AFMは、簡単に計算式を開発できる環境と、計算式の保存および実行を集中管理できるプラットフォームを提供する事よりこうした問題を解決します。
- エンジニアリングコストの削減
AFMには、PHDデータの読み取り、書き込み、集計に必要なわかりやすい組み込み関数が付属しているので、エンジニアはソフトウェアプログラミングに精通していなくてもエンジニアリング計算を作成することができます。
AFMは構文、組み込み関数の適切な使用方法、PHDタグの検証などについてのフィードバックを動的な色コード付きで示します。 - 計算管理の一元化
AFMの計算ライブラリはすべてAFMサーバで一元管理され、保存されるので、計算式のコードが必要であれば誰でも利用可能です。また、AFMサーバはそれぞれの計算ライブラリの実行を、ユーザが定義した実行間隔で管理します。
ユーザは、付属の計算や関数を使用することも、再利用可能な独自関数を作成することも可能なので、多数のユーザ間でも一貫したアプローチが確保されます。 - PHDとの簡単な統合
AFMでは、PHDからの入力データも簡単に取得できるので、データ・アクセス・コードの記述は不要です。AFMの計算結果はPHDタグに書き込まれ、プロセスとビジネス・データを伴うトレンド予測やレポートに利用できます。エンド・ユーザはタグがDCS、手入力、AFMのどれに由来するのかを知る必要がなく、Uniformance Process StudioやExcel CompanionなどのPHDクライアント・アプリケーションにタグを追加するだけで処理を実行することができます。
PHDヒストリアンの統合クライアント
Uniformance Process Studio (UPS)
Uniformance Process Studioは、ハネウェル社のヒストリアン(PHD)のみでなく、OPC HDAに対応した他社ヒストリアンのデータ表示や、OPC A&Eのイベント上のトレンド表示等が可能な統合ディスクトップ環境です。Tag情報やヒストリ情報の表示/変更、各種プロセストレンドの表示やグラフィック画面の作成/表示が可能な総合ユーザインターフェースシステムです。
Uniformance Process Studio の利点
Uniformance Process Studioは、エンジニアリング解析の実行に求められる高度な機能を維持しながら圧倒的に使いやすい操作性を誇る理想的なプラットフォームです。
- 直感的なツール群
Uniformance Process Studioは、平均的なユーザがほとんどあるいはまったくトレーニングを受けずに使い始められ、短期間で高い生産性を上げられるように設計されています。
Uniformance Process Studioの操作は、タグを選択してトレンドやテーブルにドロップするだけという手軽さです。よく使われる機能はリボン・バー上のドロップダウン・メニューとオプションで簡単に利用できます。 - 強力なグラフィック機能
Uniformance Process Studioのグラフィックは、ExperionおよびWork center製品でも使用されているHoneywellのHMIWebテクノロジをベースにしています。 - ワークフローとコラボレーションを実現
強力なUniformance Process Studioワークスペースを利用して、ユーザはタグ、トレンド、レポート、ドキュメントを自分が有効活用できる形で編成して生産性を高めることができます。ワークスペースは、ユーザ毎のグループを作成することもできるので、作成したナビゲーション、レポート、その他のコンテンツは多くのユーザで共有できるようになります。