紙・パルプに対する抄紙工程の品質管理

Quality OptiMISER

Quality OptiMISERは,高度なコンフィグレーション能力と単一の操作性を提供し,品質アプリケーションの標準化を実施することにより,高いROI (投資利益率) により投資を低減し,ミルパフォーマンスを改善すると共にTCOを削減します。又、品質関連データや製品系統のトラッキング,ヒストリ分析により,素早いフィードバックと迅速なルート原因分析が実現可能です。

Quality OptiMISER の主な機能

  • 複数データソースからのラボ試験品質データを保管 (自動オンライン収集又はマニュアル入力可能)
  • 顧客品質基準の明確化 (品質基準に合致するかの画像表示、顧客基準の品質仕様管理と変更時の改定履歴管理)
  • QCSやWeb画面により必要な人へ最新情報を提供 (ラボと製品オペレーション間の即時の品質確認を実現)
  • Rawデータや統計データのテーブル,レポート,グラフィックの表示 (全ての有効な品質を1画面で表示)
  • Microsoft Excel/Accessへの出力
  • 自社の他システム (Da Vinci™,MXProLine™,Experion MX QCS) と容易にシステムとシームレスに融合
  • 他社のQCSプラットフォームをサポート
  • グローバル化対応 (多国語に対応したローカライゼーション、多言語を用いたヤード・ポンド法/メートル法)

Quality OptiMISERの構成モジュール

Quality Procedure Manager

品質試験基準の管理

品質仕様と品質データ表示方法を定義し,品質試験手順のあらゆる面を構成する。QCSのスキャナで集められる自動収集データだけでなく,ラボスタッフにより実行される等級仕様ごとに,試験品質を定めます。

本機能は,顧客からの製品品質に対する要求スペックを指定した品質試験基準により管理し,改定履歴を管理します。

  • 顧客独自の品質管理基準を蓄積
  • 測定値が許容限界を超えた場合の,品質測定値のソースを特定
  • 簡単に仕様変更が可能で,類似製品をベースとした新たな品質基準を作成する為の管理機能を提供
  • 品質基準承認の監査履歴,及び,バージョン管理を提供

Quality Diary

Lab品質管理情報の管理

OPC等を使用して自動的に取得したLAB試験結果を表示可能で,試験値を手入力することも可能です。対象の紙は,リールとロールのどちらでも可能です。
尚,試験値はQuality Procedure Managerで定義された値の範囲と比較されて正常/異常の試験結果が記録されます。

  • QCSから取得したデータや自動ラボシステムから取得した値を基準としたリールやロールの品質データの数値表示やグラフィカルフォーマット上に同時に表示
  • ラボ試験をベースとした,リールやロールでの品質パラメータの試験結果を時間ベースで入力可能
  • 指定期間や試験実行の間に提供された紙又はパルプの品質情報を取得
  • 特定サンプルの品質情報を取得し,それらの試験を登録
  • 試験結果で更なる解析を実行
  • 試験プロパティとリールとロール在庫へコメントを提供

Contour Map

リールとロールの品質情報をグラフ形式で表示

紙の品質を視覚的に表示する為,パルプ,紙,ロール加工業界で使用されている方法で,リールやロールのすべての巾方向測定プロフィール,製品リール全体の流れ方向トレンドの品質情報をグラフ形式で表示します。

現在値とヒストリカルデータの両方を表示可能で,現在値は生産上の問題を迅速に識別可能とするためリアルタイムで更新し、製品品質が顧客の要求を満たしているかを一見できるフィードバックを提供します。

  • リールにパターンを適用し,後で表示するためにスケジュール
  • ロール品質を確認するため,計画パターンとスケジュールパターンを適用
  • オンラインスキャン値グラフを表示し,パターンのオンライン計画を実行
  • ワインダーとリワインダーロールの表示
  • パターンとワインダーセットの品質チェックを実行
  • リールとロールにステータスを割り当て
  • 品質データの2次元および3次元のグラフィカル表示を提供

更に,As Cut Roll/Set(トリムパターン設定)機能により,ワインダートリムパターンをContour Map上に割り当て可能です。

  • Contour Map上へトリムパターンを切断または計画したこととして上書き
  • Quality Procedure Managerの基準に基づいて潜在的な規格はずれの製品を識別
  • カットトリムパターンをリール品質データと共に保存

又,欠点検出器機能(WIS障害マップオーバーレィ)を使用する事により,QCSプロファイルデータのContour Map上へWISから収集した欠陥をシートへ上書きする事が可能です。

  • 巾方向プロファイルContour Mapでリール内にシート欠陥の位置を上書き
  • 欠陥は,プロファイル種類と欠陥位置の間での関連性を決定するため,測定プロファイルと容易に比較可能
  • シート欠陥は,タイプに基づいてユニークなアイコンを割り当て可能

Profile Application

1つまたは複数のリール又はロールの品質スペックグラフを表示

一つ以上のリール又はロールに表示して,指定した品質スペックのプロフィール・グラフを表示,保存することが可能です。又,1つ以上のリールから,巾方向測定プロファイルを表示する事も可能です。

  • 単一のオペレータ画面で複数のリールからの複数測定プロファイルを表示可能
  • 上下限の品質は,表示されたプロファイルで上書き可能
  • 色,線の種類,ウィンドウ位置,およびサイズのズーム機能等により完全な表示制御が可能

Trend Application

プロセス情報トレンド

複数のリール又はロールの1つ以上の品質パラメータのトレンドを指定された期間で時系列に表示します。

  • ヒストリ/現在値プロセスデータはデータベースやQCSから取得して表示されます。
  • 表示データの品質は,入手可能なQuality Procedure Managerの基準値で評価可能

Quality OptiMISERを使用するメリット

Quality OptiMISERは,QCSのみで実施できない長期に渡る品質データを保管し,エンドユーザからのクレームに対して製造時の品質状態,環境状態,分析結果を適格に検索することにより,その製造時の問題点を追及する事ができる為,問題が発生した根本原因を突き止める事が可能となります。

又,そのクレーム品を作成した時点でのロットを把握する事ができ,出荷した顧客を突き止め,更なるクレームが発生する前に是正をする事ができます。

更に、本情報はデータベースに格納されている為,他システムへ結果を簡単に受け渡す事ができるため,上位のMESシステムやERPシステムとの連携を実施する事も可能です。